私は、経済的に早く安定した自立を求められる家庭環境だったこともあり、手に職をと思い看護師になりました。

始まりはそういった、経済的なことが理由で選んだ職業。

しかし体が弱り困っている患者さんの回復を助け感謝されることで、仕事にやりがいを感じていきます。

またそうして苦しんでいる患者さんを目の当たりにすることで、健康でい続けることの大切さ、それをサポートする仕事の「重み」を、強く感じたのを覚えています。

しかしもともとが小柄で華奢な私にとって、この仕事は決して楽なものでありませんでした。

 

そうしてそんな毎日の中、ついにサポートする側である私自身が体を壊してしまします。

きっかけは無理な姿勢での患者さんのサポートをしたこと。

当初は「我慢できるかな」という程度だったことから、無理を押して仕事を続けてしまいます。その結果、かなりきつい四十肩を患うことに。

腕は上がらず、それでも無理をして上げようとすると、耐えがたい激痛が走ります。

そんな中でも仕事は休むわけにいかず、どんどん状態は悪化。

私は私自身の体で改めて、当たり前にあったはずの「痛みなく動く体」のありがたさを、いやというほど思い知らされることになったのです。

休職まで視野に入るほど途方に暮れた私は、何とかしようと様々なことを試してみます。

そうして痛み止め、ストレッチ、電気治療など考えつく様々なものを試した結果、とある整体法と出会いました。

その整体手法は、単に患部をほぐすというものではなく、自然治癒力の働きを促す手法。

背骨を優しく揺らすことで、神経の通りを良くし、筋肉の状態をも正常化させるというもの。

最初半信半疑だった私ですが、その手法で私の四十肩は大きく改善することができたのです。

この手法にほれ込んだ私は、こんな素晴らしい技術があることを、世の中に伝えたい。

またそれにより、私の様にいわゆる医療でカバーしきれない患者さんの助けになるのではないか、そう考えるようになりました。

また看護師という仕事に肉体的な限界を感じていたこともあり、私はこの技術を習得し、整体院を開業することを決意したのです。

そうして整体院を開業した私は、看護師として培った知識と私自身の体が改善した技術を駆使することで、多くの方の改善のお手伝いをできるようになっていきました。

特に肩こりや頭痛や目のかすみなどは、一回で大きな改善を感じてもらえる方も多く、喜んでもらえることがとてもうれしかったです。

 

しかしその良い状態が長く続かず、継続的にお越しいただくことで何とか維持できるという方が多かったのは、気になっていました。また、外反母趾等は習った技術では改善できず、行き詰まりや無力感を感じていました。

改善できない症状はなぜなのか、また良い状態が長く続かないのはなぜなのか、それを調べ続けた私は、ある考えに行きつきました。

それはそんな方やそんな症状の原因は「日常で体を傷める良くない姿勢や動作を継続してしまっている」のではないかということ。

だから一度良くなってもまた悪くなる。また、その良くない姿勢や動作の影響が大きい場合、改善すらしない。

そのことに思い当たりさらに調べ続けたことで、私はそういった分野を研究している中島武志先生という先生と出会うことになるのです。

中島先生は「良くない姿勢や動作こそ生活習慣病の元。その改善なくして根治はありえない」と提唱しておられる方です。

特に足に関しては造詣が深く、負担のない歩き方である「ゆるかかと歩き」を開発され、その歩き方で多くの足の疾患を改善しておられます。

もちろん難治とされる外反母趾も歩き方を改善するだけで治しておられるということを知り、大きな期待を胸に先生の開催される講座に参加することにしました。

 

講座で実際にゆるかかと歩きを指導していただいたのですが、その時のことを一言でいうと「衝撃」でした。

正しくできた瞬間に足は驚くほど軽くなり、まるで足が無いかの様。

逆にいかにこれまでの歩き方が体に負担になっているかを実感。

「そりゃ今までこんな歩き方をしていたら、いくら治してもすぐにまた体が悲鳴を上げ始めるのは当たり前よね」と思い知りました。

と同時に、このことに多分気づいていないであろう多くの方に、このことを伝えたい。

そう思い、早速ゆるかかと歩きの指導を学び治療に導入することにしたのです。

その効果は覿面。

外反母趾に悩む方の改善はもちろん、「歩き方を変えたおかげか、よい状態が長く続く!」と多くの方に喜んでいただいております。

「驚くほど楽な歩き方があるよ」「負担は自分で作り続けているだけだよ」そう教えてあげたい、日常の姿勢や動作を見直すことで、健康はじぶんで作り維持していけることを広めたい。そんな思いで患者さんに向き合う毎日です。